宮本輝

今、(個人的に)空前の宮本輝ブームです。「螢川・泥の川」くらいは学生の頃読んだはずなんだけど、その時はあんまりピンとこなかったんですよね。今読むとピンときすぎて電車の中で胃が痛くなった・・・。それは、良い読書なんだろうか。
今回のブームの発端はブックオフの100円コーナーで買った「夢見通りの人々」という連作短編。夢見通りという商店街に住む極端に癖のある人々の物語。何かこう感情が揺さぶられます。最初は、ものすごく上手いなーと思って読みはじめるのだけど、途中から、商店街の人々のリアルな哀しみに引き込まれて行く。なんとも言えないせつない思いが残ります。生きて行くこと、死んで行くこと、基本的な事情の上に色んな感情があるんだよ。肉屋の息子の入れ墨の話がいちばん好きかな。
宮本輝はいいよ!凄いよ!こんなにスタンダードなものを今さら正面から勧められても困ると思いますが・・・。